<場所> ギリシャ アッティカ アテネ アクロポリスの壁面およびディオニュソス劇場周辺

上は、ディオニュソスの劇場からアクロポリスを見上げた辺りにある、コレーゴスの優勝記念モニュメント。もう少し離れて見ると、右の写真のような感じ。
下に開いている穴の前には、やはり優勝したコレーゴスであるトラシュッロス(前321/20)とその息子トラシュクレス(前270)の記念モニュメントがあったことが碑文から分っている。トラシュッロスは、この洞穴をディオニュソスに捧げ、その前をドーリア式のポルティコで飾り、その50年後、息子が優勝した際に、さらなる装飾を加えた。このモニュメントは、独立戦争中、アクロポリス包囲戦でトルコ軍の砲撃により破壊された。

これを、アクロポリスの上から見たのが左の写真。かつては、柱頭の上に鼎が設置されていたに違いない。
すでに他の箇所でも説明したが、コレーゴスとは、演劇コンテストで劇を提供するパトロンのことで、これに優勝すると、賞品として鼎を与えられた。優勝したコレーゴスたちは、それを記念するため、しばしばこうしたモニュメントを建造した。もっともよく知られているのが、プラカにあるリュシクラテス・モニュメントであるが、アゴラ遺跡にも残っている。
下に写っているのは、やはり優勝したコレーゴスであるニキアスの記念モニュメントの跡で、ディオニュソス劇場の西側にある。前320/319に建造され、ドーリア式神殿の形をしていたらしいが、現在はほとんど残っていない。後三世紀に解体され、その建材は、アクロポリスの「ブレの門」建築に使用された。ニキアスの碑文は今もそこで読むことができる。
