<場所> ギリシャ アッティカ アテネ
アクロポリスの南側のふもと、ヘロデス・アッティコスのオデイオンとディオニュシオスの劇場の間に位置する二階建ての列柱廊。
紀元前二世紀(ヘレニズム期)のペルガモン王エウメネス二世(前197-159)がアテナイに贈った。後三世紀に破壊され、現在は一部しか残っていないが、もともとは163メートルあった。ペルガモン式の柱頭などが、アゴラにあるアッタロスのストアと非常に似ていることから、同じ建築家が手がけたのではないかと考えられている。
アクロポリス側の壁が、青みがかった灰色のヒュメットス産大理石でつくられているのを除けば、柱頭、コーニスなどは全てペルガモン産大理石でできている。
ディオニュソス劇場を訪れた観客が雨宿りできる場所でもあった (Vitruvius V, 9, 1)。
後三世紀、ここから石が持ち出されて、防衛壁の材料になった。1687年にオスマントルコが築いた防衛壁「セルペンツェス Serpentzes」は、このストアとヘロデス・アッティコスのオデイオンを組み込んで造られた。