<場所> モナスティラキ駅前広場、アテネ、ギリシャ
<別称> Tzistaraki Tzami

モナスティラキ広場に立つモスク。
ツィスタラキス(TzistarakisまたはTsistarakis)は十八世紀半ばのアテネ総督(voivode)。彼はこのモスクの建築に使おうと、1759年、オリュンピアのゼウス神殿の円柱を破壊した。しかし、オスマントルコの法は、スルタンの許可なしに古代の建造物を破壊することを禁じていたため、ツィスタラキスは重い罰金刑を科され、職を追われた。
かつてはミナレットがついていたが、1821年以降に取り壊された。モスクは、一時、牢獄や兵舎として使われていたこともある。
現在は、フォーク・アート博物館(Museum of Greek Poplar Art)の分館になっている。
左の写真はモスクの入り口。
モスクの入り口は二階にあり、一階部分は今も昔も商店だった。
この建物は1915年から1920年にかけて、高名なギリシャ人考古学者アナスタシオス・オルランドスが修復し、博物館として使われるようになった。しかし、1981年の地震で大きなダメージを受けたため、博物館のコレクションは別の場所に移され、大規模な修復工事が行われた。

扉上の碑文。

扉の枠は大理石の彫刻で装飾されている。

ミフラーブ(モスク内、メッカの方向にある壁に設置される壁龕で、イスラム教徒が祈るべき方向を示す)は、塗装を含めてよく残っている。
モスクの内壁はかつてフレスコ画で装飾されていたらしきことが、所々に残る壁画から分かる。
かつては、ビザンツ時代の大理石材が装飾のために再利用されていた。現在は取り外されているが、この博物館の中に展示されている。
参考文献
- Molly Mackenzie, Turkish Athens, The Forgotten Centuries 1456-1832, Reading/ Ithaca Press 1992, pp. 25, 28.
- Robin Barber, City Guide: Athens (Blue Guide), fifth edition, London/ A&C Black, 2002, p. 145.
- 現地の案内板と現地で配布されているパンフレット