コス島 アスクレピオスの聖域
Asklepieion

 アスクレピオスは古代ギリシャの医療と治癒の神。このアスクレピオスに捧げられた聖域には、アスクレピアダイと呼ばれる神官医師団がいて、訪れる人たちに医療行為を施した。

行き方
アスクレピオスの聖域とコス・タウンは4km程度離れている。歩いてゆくと1時間、自転車だと20分程度。バスもある。入場料は大人€3。開場時間は8:00-19:30(最終入場時間19:00)で、月曜日は閉場。入り口の前にカフェテリアと売店がある。コスと聖域の間にあるプラタニという村には、カフェテリアやレストランがいくつかある。博物館は併設されていないので、見学時間は、興味の度合いにもよるが、30分から1時間程度であろう。

 古代の最も著名な医師ヒッポクラテスは、前460年ごろコス島で生まれ、前357年に104歳で死去したと伝えられている。彼は、ここで治療行為を施したり、教育に携わったりした。彼の著作とされるものは数多くあるが、有名な「ヒポクラテスの宣誓」を含め、由来が明らかでなかったり、後から改変されたものが大部分。

View from the Asklepieion  この場所に、現在ある聖域が建設されたのはヒッポクラテスの死後。ヒッポクラテスは、治癒には新鮮な空気と良質な水が効果的であると説いているが、この場所はその両方の要件を満たしていた。現在は枯渇しているが、かつては水が湧き出ていた。

 右はアスクレピオス神殿からの眺望。平野部に見えるのがコス・タウンで、海の向こうはトルコ。

 聖域の活動は、ヘレニズム期からローマ帝政期まで続いた。聖域を入って左手にある大きな浴場は、帝政後期に建設されたもの。しかし、六世紀の中頃になんらかの破壊され、再建されることはなかった。十字軍時代、聖ヨハネ騎士団は、聖域の石材を持ち出して、城の建設に使用したため、建造物はあまり残っていない。後二世紀にここを訪れたパウサニアスは、この聖域にたくさんの奉納美術品があったことを記録しているが、これもまたまったく残っていない。

 大雑把に言って、聖域は三つのレベルに分かれている。入り口(プロピュライア)のあるのが一番低いレベル、アスクレピオスの祭壇、ローマ時代の神殿などがあるの中間レベル、そして、アスクレピオスの大神殿があるのが上層レベルである。

 ・ 下段(大階段、プロピュライア、ストアと患者のための部屋、ローマ時代の浴場)
 ・ 中段(アスクレピオス神殿、アポッロ神殿、神官の部屋)
 ・ 上段(アスクレピオスの大神殿、ストア)

 ギリシャには、アスクレピオスの聖域が、コス以外に四箇所あったが、そのうち最も有名なのはペロポネソス半島のエピダウロスのものだで、テッサリアのトリッケ(アスクレピオスの生誕地とされる)、レロス島、アテネのディオニュソス劇場近くにもあった(ここに写真)。

 会場時間、入場料の新しい情報は、ギリシャ文化省のホームページでチェックしてください。ここ(英語)です。

参考文献

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